令和元年11月の地殻変動
発表日時:2019年12月9日(月)16時00分
全國の地殻変動概況
別紙1~7は、國土地理院が全國に展開している電子基準點等のGNSS連続観測網(GEONET)の観測結果から求めた2019年10月下旬から2019年11月下旬までの1か月間の地殻変動を表したものです。東日本の広い範囲で、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。
火山周辺では、硫黃島において大きな地殻変動が見られます。
火山周辺では、硫黃島において大きな地殻変動が見られます。
- 別紙1 全國 (PDF形式:449KB)
- 別紙2 北海道地方 (PDF形式:146KB)
- 別紙3 東北地方 (PDF形式:164KB)
- 別紙4 関東?中部地方 (PDF形式:236KB)
- 別紙5 近畿?中國?四國地方 (PDF形式:506KB)
- 別紙6 九州地方 (PDF形式:346KB)
- 別紙7 沖縄地方 (PDF形式:122KB)
トピックス
- 2018年春頃から九州北部のGNSS観測で観測されていた、それまでの傾向とは異なる地殻変動は、2019年秋頃にはほぼ収まったように見えます。また、2018年秋頃から四國西部のGNSS観測で観測されている、それまでの傾向とは異なる地殻変動は、2019年6月頃から停滯しているように見えます。これらの変動は、日向灘北部及び豊後水道周辺のフィリピン海プレートと陸のプレートの境界深部における長期的ゆっくりすべり(スロースリップ現象)によるものと推定されます。(別紙8)
- 草津白根山周辺では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙9)
- 淺間山周辺では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙10)
- 硫黃島では、GNSS観測によると、10月10日から14日にかけて、急激な地殻変動が観測されました。その後、「硫黃島1」及び「M硫黃島A」では隆起、「硫黃島1」は北西向き、「硫黃島2」は南向きに変動しています。また、だいち2號によるSAR干渉解析結果によると、硫黃島東部では、隆起とみられる変動が継続して見られます。(別紙11)
- 阿蘇山周辺では、阿蘇山を取り囲む基線で、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙12)
- 霧島山周辺では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙13)
- 桜島周辺では、2019年10月頃から島內の基線で、わずかな伸びが見られます。(別紙14)
- 薩摩硫黃島では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙15)
- 口永良部島では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙16)
※西之島では、だいち2號によるSAR干渉解析結果によると、噴火発生の可能性が発表された12月5日の前後で、火砕丘の東側に火山噴出物の影響とみられる非干渉地域が見られます。また、火砕丘の北東側及び南東側で収縮とみられる衛星から遠ざかる変動が見られます。(別紙17)
補足説明
- 全國の1年間の地殻変動(2018年11月下旬から2019年11月下旬まで、別紙18)からは、以下のような傾向が見られます。
- 東北から関東?中部までの広い範囲で、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。
- 硫黃島では、島內の地殻変動が見られます。
- その他の地方では、プレート運動による定常的な地殻変動が見られます。
別紙一覧
- 別紙8 四國西部の非定常的な地殻変動 (PDF形式:1.10MB)
- 別紙9 草津白根山周辺の地殻変動 (PDF形式:444KB)
- 別紙10 淺間山周辺の地殻変動 (PDF形式:599KB)
- 別紙11 硫黃島周辺の地殻変動 (PDF形式:1.2MB)
- 別紙12 阿蘇山周辺の地殻変動 (PDF形式:226KB)
- 別紙13 霧島山周辺の地殻変動 (PDF形式:601KB)
- 別紙14 桜島周辺の地殻変動 (PDF形式:605KB)
- 別紙15 薩摩硫黃島周辺の地殻変動 (PDF形式:239KB)
- 別紙16 口永良部島周辺の地殻変動 (PDF形式:254KB)
- 別紙17 西之島の地殻変動 (PDF形式:287KB)
- 別紙18 全國の地殻変動(水平)-1年間- (PDF形式:560KB)
問い合わせ先
國土交通省國土地理院 〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番 測地観測センター 地殻監視課長 真野 宏邦 (029-864-5971) 地理地殻活動研究センター 地殻変動研究室長 矢來 博司 (029-864-6925) 測地観測センター 地震調査官 黒石 裕樹 (029-864-4825) FAX 029-864-8381